環境が子供を育てる 学び方学習

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学び方学習

これからの学校教育においては、これまでの知識を一方的に教え込むことになりがちであった教育から、自ら学び自ら考える教育へと、その基調の転換をはかり、子供たちの個性を生かしながら、学び方や問題解決などの能力の育成を重視雑いう教育課程審議会答申に基づき、自ら学び自ら考える学び方学習の必要性を教育課程編成の一環方針の中で述べるとともに、総合的な学習の時間の説明の中でも繰り返しその必要性を強調している。


このような学び方の学習はもっぱら総合的な学習の時間で行い、教科の基礎基本は繰り返し学習によって確立の定着を図るというように、二元論的に区別する学習論を説く人もいるが、これまでの教育の基調の転換すなわち学び方の転換を図ることはできないだろう。小学校から高校を終えるまで、日本では子供たちはただ受験だけのために勉強する、そして、この勉強という概念が極めて育つであって、英語における learnと study の区別がなく、日本では幼稚園から大学を卒業するまで learn、勉強するが、studyは全くしないようであると批判している人もいる。自ら学び自ら考える study的な学び方への転換は、学校教育全体の問題として、保護者の理解や協力も得ながら取り組むべき大事業をと見るべきである。学校の教職員集団の考え方の統一、そして何よりも教師自身の授業化の転換が求められるが、その際には少なくとも、次のような基本条件が満たされることが必要であろう。

師問児答から児問自答へ授業からの転換

授業ではいつも教師が問、子供が答えるという授業パターンを、教師自身がまずち破る必要がある。子供たちの問いを大切にし、ついて考えその問いについて考え、追究するというような授業に変えていかなくてはならない。

対象世界に体当たりで取り組む学習を基本にする

ありきたりのことを学習テーマとしていたのでは、子供の追究心を呼び起こすことはできない。現実世界とかかわりがあり、子供たちの興味関心を呼んで、問心、あるいははてな ?心を起させるような教材、すなわち、子供たちが自ら問いをいだき、追究したくなるような意外性のあるテーマをどんな学習でも選ぶようにしなければならない。

対立意見を戦わせる討論学習の重視

授業では、子供たちの常識的な思い込みを突き崩し、物事には常に多様な見方、考え方があること、真実は探求すべきものであって、その道は奥行きの深いものであること、子供たちに気付かせることが大切である。そのためには、討論学習の有効であり、不可欠である。

子供たちがお互いの良さを認め合い、助け合う学級づくり

自分に解らないこと、納得できないことを出し合い、そのような問いを皆で追及することに主眼を置く授業を作り出すためには、学級の人間関係をそれにふさわしいものにしておくことが必要である。友達の間違いや失敗を馬鹿にして、嘲笑したり、からかうようなことは、きっぱりやめさせねばならない。教室は、むしろ間違えたりしたいしたことを皆で教え合い助け合うところだという考えを、子供たちに徹底させなければならない。

学び方の学習の4分野

学び方の学習には、何のために、何を、どのように、どこで学ぶのかという4分野の指導が必要である。何のために学ぶのかは、学習活動の狙い、その基本的課題は何かを子供に自覚させることである。子供たちは、人類の、そして民族の作り出した文化遺産、その社会的経験を学ぶことによって一人前の社会人となる。日本人は日本語を学び、日本語通して日本民族の社会的経験を学び身につけていく。その際、第一に大切なことは、学習の動機づけである。社会的経験は、子供自身の社会的活動をとおしてのみ身につけることができる。そのためには、何のために学ぶのかという学習の意義や目的が、子供自身にわかっていなくてはならない。

子供が目的意識を持ち、やる気を出すようにすることが第一に大切なのである。次には、何を学ぶのかという内容の問題がある。これも、まず教師の側で何が重要かを把握したうえで、子供にもはっきりとわかるようにすることが必要である。基礎を、基本の確実な定着を図ることが学習指導要領でも言われているが、何が基礎的、基本的内容であるかは必ずしも明確にされていない。基本基礎も、まずもって教育内容の問題としてとらえることが必要である。それを学ぶための材料として教材がある。本当に大切なものとして精選する必要があるのは教育内容である。教材もやたらといろいろなものだすのは混乱を招きかねないが、普通はなるべく多様な教材を使って学習した方が、本質的なことがよく見えてくる。

次にどのように学ぶかという学習課程の問題がある。これは、どのような教材を使って学ぶのかという問題とも関連するが、子供の認知活動どう組み立て、働かせるかという問題である。いわゆる問題解決的な学び方だけでなく、子供の理解、記憶、スキルをそれぞれ高めるためには、とのような学び方が必要かが問われる。学び方学習の指導に熱心な学校では、学習の手引きを作成して、自主的な学習の仕方を学ばせているところが多い。

最後に、そのような学習をどこで学ばせるかという問題がある。言い換えれば、個の学び方と集団の学び方との関連の問題である。これまでの日本の学校では、子供たちに十分な個別指導を図ることもできなかった。その代わりに、グループ学習を生かした指導技術が外国と比べても比較的よく発展してきた。このような学び方は、自己評価の力をつけるうえでも大切で、仲間の評価は大きな影響力を持っている。学び方を学ぶということは、自分の学び方を自分の評価し、自己コントロールすることでもある。集団的学習の場で自分に欠けるところで自分の良いところを見出す子供を育てるところに、学び方学習の一つが重要な鍵がひそんでいるのである。